私になりたい

一人暮らしメンヘラアラサーは無職に逆戻り

何もならない東京の夜

久しぶりにウイスキー飲んだらハイになって、愉しくなって、もう何もかもどうでも良くなって、取り合えずお酒がのみたくて、知らない人と合流して、また知らない人が増えてカラオケなんかしてた。
都会は寂しければ誰にでも会える。
誰にでも会える代わりに、私も都内のどうでもいいどこかの人間の一員である。
名前なんて記号みたいなものだ。


虚しいことが分かってても、独りでいられない夜がある。
なんにもならなくても、誰かに寄り添いたい夜がある。
愛着障害の私は、人一倍、その気持ちが強いんだけど。
強すぎるが上に、ちょっとでも否定されたり、認めて貰えなかったりすると、もうその人のことが嫌になってしまう。
それが悲しくて面倒で煩わしくて申し訳なくて、だから独りを選んでいるんだけれど。
ふとした孤独に付け入る闇は、私を見逃してはくれない。


名前がない代わりに、身分が曖昧な代償に、容姿やスタイルで選定され、愛でられたり、卑屈になったりして消耗して、夜を過ごす。
なんて、なんて不毛な夜だろう。
この夜を、楽しく過ごすには、顔のどこをいじったらいいだろう、あと何キロ痩せれば正解だろう、そんなことを考えながら私はお酒を飲んでいる。

雨降りの街は薄暗くて、ジメジメしていて、雲は光を拒否している。
まるで私のこころみたいだ。


ウイスキーの氷が溶けて、カラン、なんて音がして、私もこの氷みたいに消えてなくなってしまいたいと思った。